サハラ』(Sahara)は、アメリカ合衆国のジャズ・ピアニスト、マッコイ・タイナーが1972年に録音・発表したスタジオ・アルバム。

背景

マイルストーン・レコード移籍後としては初のアルバムに当たる。「エボニー・クイーン」は、タイナーの妻アイシャに捧げられた曲である。「ヴァレー・オブ・ライフ」ではタイナーは箏も演奏しており、タイトル曲ではタイナーがフルートやカリンバ、カルヴィン・ヒルが東洋のダブル・リードの木管楽器やブラジル製のシェイカー、アルフォンス・ムゾーンがトランペット、ベル、メタル・フルートといった具合に、本来の担当と異なる楽器も多用した。

反響・評価

アメリカでは『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートで31位に達した。第15回グラミー賞では、最優秀ジャズ・パフォーマンス賞(グループ)および最優秀ジャズ・パフォーマンス賞(ソロイスト)にノミネートされたが、いずれも受賞は果たせなかった。

Brian Olewnickはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「タイナーは『サハラ』で、晩年のジョン・コルトレーンよりは堅実だが、それでいて獰猛かつ自由奔放な音楽性を披露して、自身の立ち位置を明確にし、本作は1970年代を代表するジャズ・アルバムの一つとなった」「本作以降、タイナーは1970年代中期に幾つかの優れた作品を作ってきたが、これほどの高みに登り詰めたことはなかった」と評している。

収録曲

全曲ともマッコイ・タイナー作曲。

  1. エボニー・クイーン - "Ebony Queen" - 9:00
  2. ア・プレイヤー・フォー・マイ・ファミリー - "A Prayer for My Family" - 4:48
  3. ヴァレー・オブ・ライフ - "Valley of Life" - 5:19
  4. リバース - "Rebirth" - 5:21
  5. サハラ - "Sahara" - 23:26

参加ミュージシャン

  • マッコイ・タイナー - ピアノ、箏、フルート、パーカッション
  • ソニー・フォーチュン - ソプラノ・サクソフォーン、アルト・サクソフォーン、フルート
  • カルヴィン・ヒル - ベース、木管楽器、パーカッション
  • アルフォンス・ムゾーン - ドラムス、パーカッション、木管楽器、トランペット

脚注

外部リンク

  • サハラ - Discogs (発売一覧)

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