ヤン・ダ・シルバ・ゴームズYan da Silva Gomes, ポルトガル語発音: [ˈɐ̃w̃ ˈɡõmiʃ], 英語発音: /jæn goʊmz/; 1987年7月19日 - )は、ブラジルのサンパウロ州サンパウロ出身のプロ野球選手(捕手)。右投右打。MLBのシカゴ・カブス所属。ブラジル出身で初のMLB選手である。

経歴

プロ入り前

1987年にブラジルのサンパウロで生まれ、12歳の時に家族と共にアメリカ合衆国へ移住する。フロリダ州マイアミのマイアミ・サウスリッジ高等学校を卒業後、テネシー大学に進学した。

2008年のMLBドラフト39巡目(全体1192位)でボストン・レッドソックスから指名を受けるが、契約には至らなかった。

プロ入りとブルージェイズ時代

2009年のMLBドラフト10巡目(全体310位)でトロント・ブルージェイズから指名を受け入団。

2012年5月17日、アダム・リンドに代わってAAA級ラスベガス・フィフティワンズから昇格した。同日のヤンキース戦でブラジル人として初のデビューを果たし、フィル・ヒューズから安打も記録した。

インディアンス時代

2012年11月3日にエスミル・ロジャースとのトレードで、マイク・アビレスと共にクリーブランド・インディアンスへ移籍した。また、パナマで開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選のブラジル代表に選出された。パナマ代表との本大会進出決定戦では決勝適時打を記録し、予選突破に大きく貢献した。本戦への出場も期待されたがシーズンに専念するため辞退した。

2013年3月11日にインディアンスと1年契約に合意。3月25日にAAA級コロンバス・クリッパーズへ異動。4月9日にメジャーへ昇格した。4月24日にAAA級コロンバスへ降格したが、28日に再昇格した。この年は88試合に出場して打率.294、11本塁打、38打点、2盗塁を記録した。守備ではDRS11を残した。また、7月30日にはMLB史上初のブラジル人投手であるアンドレ・リエンゾと初のブラジル人対決をした。

2014年3月10日にインディアンスと1年契約に合意した。3月31日にインディアンスと総額2300万ドルの6年契約(2020年・900万ドル、2021年・1100万ドルの球団オプション付き)に合意した。シーズンでは初めて規定打席に到達し、打率.278、21本塁打、74打点などと活躍した。ブラジル人として初めてシルバースラッガー賞を獲得した。

2015年は離脱もあり、95試合の出場に留まった。打撃では打率.231、出場試合数を超える104三振を記録したが、3シーズン連続2桁本塁打となる12本塁打を記録した。

2016年7月に右肩を故障して故障者リスト入りした。更に、復帰直前にマイナーリーグの試合で右手首に死球を受けて骨折し、引き続き戦線離脱する羽目になった。最終的には74試合に出場したが、打率.167、9本塁打、34打点という成績に留まり、全体的に低調だった。守備では73試合でマスクを被り、3失策、守備率.995、DRS0、盗塁阻止率37%という安定した成績だったがフレーミングは初めてマイナスに転じた。シカゴ・カブスとの2016年のワールドシリーズに出場したが、ロベルト・ペレスに先発を奪われ、チームも3勝4敗で敗退した。

2017年1月20日に背番号を7に変更した。この年は105試合に出場し、打率.232、14本塁打、56打点という成績で、打率はあまり高くないものの出塁率と長打率が大きく上がり、OPSは.708になった。守備では103試合で盗塁阻止率42%などを記録した。

2018年は前半戦に打率.247、10本塁打、32打点を記録し、オールスターに代替で初選出された。オールスターゲームにブラジル人選手が選出されるのは史上初のことである。最終成績は112試合に出場し打率.266、16本塁打、48打点、OPS.762であった。守備では111試合で捕手を務め、DRS4で4年ぶりにプラスに転じた。

ナショナルズ時代

2018年11月30日にジェフリー・ロドリゲス、ダニエル・ジョンソンとのトレードで、ワシントン・ナショナルズへ移籍した。翌年からインディアンスの正捕手はロベルト・ペレスとなった。

2019年はカート・スズキと出場機会を分け合う形で97試合に出場し、打率.223、12本塁打、43打点だった。守備では盗塁阻止率30%、DRSはプラスだったが、フレーミングはマイナスだった。ポストシーズン、NLCSで計3打点を記録した。ヒューストン・アストロズとの2019年のワールドシリーズでは第3戦でスズキが負傷したため、第4戦以降はフル出場し、球団史上初のワールドシリーズ優勝に貢献した。最後の打者のマイケル・ブラントリーに対してダニエル・ハドソンが空振り三振を奪い、優勝の瞬間のボールを捕球してシーズンを終えた。11月2日に球団側がオプションを破棄したため、FAとなった。オフの10月31日にFAとなったが、11月27日にナショナルズと2年1000万ドルで再契約したと報道され、12月10日に正式公示された。

2020年は打率.284、出塁率.319、長打率.468で4本塁打、13打点を記録した。8月21日のマイアミ・マーリンズ戦で通算100本塁打に到達した

アスレチックス時代

2021年7月30日にドリュー・ミラス、リチャード・ガッシュ、セス・シューマンとのトレードで、ジョシュ・ハリソンと共にオークランド・アスレチックスへ移籍した。オフの11月3日にFAとなった。

カブス時代

2021年12月1日にシカゴ・カブスと2年総額1300万ドルの契約を結んだ。

選手としての特徴

パワーのある打撃が魅力の攻撃型捕手で、通算の長打率やOPS・二塁打数・本塁打数などの打撃指標はインディアンス時代、アメリカンリーグの捕手の中でも有数であった。また、守備も高いレベルにあり、「Baseball Prospectus」でフレーミング、送球、ブロッキングなどすべての測定可能なプレーで強いポジティブな結果が出ており、高い評価をつけられている。

ブラジルの野球は日本野球の影響を大きく受けていることもあり、幼少期は日本プロ野球の選手になることを夢見ていた。

人物

  • 愛称はブラジリアン・ボンバーのほか、オビ・ヤンヤニマルなど、オビ・ワン、アニマル(動物)を捩ったものとなっている。クリーブランド・インディアンス時代の監督のテリー・フランコーナが名付けたゴーマーという愛称もあるが、本人曰く、この愛称で呼ぶのはフランコーナだけである。
  • サンフランシスコ・ジャイアンツなどで活躍した投手のアトリー・ハマカーは義父にあたる。
  • パトリック・コービンより2歳上で同じ誕生日であり、ナショナルズ時代の2019年7月19日に史上2組目となる誕生日当日同士の先発バッテリーが実現した(1957年9月14日のデーブ・ヒルマンとジム・ファニング以来)。

詳細情報

年度別打撃成績

  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

  • シルバースラッガー賞(捕手部門):1回(2014年)

記録

  • MLBオールスターゲーム選出:1回(2018年)
  • ウィルソン優秀守備選手賞:1回(2013年)
  • ワールドシリーズ優勝:1回(2019年)※出場は2回

背番号

  • 68 (2012年)
  • 10 (2013年 - 2016年、2019年 - 2021年途中)
  • 7 (2017年 - 2018年、2022年)
  • 23 (2021年途中 - 同年終了)
  • 15 (2023年 - )

代表歴

  • 2013 ワールド・ベースボール・クラシック予選 ブラジル代表

脚注

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 G
  • ブラジル出身のメジャーリーグベースボール選手一覧
  • 国別の最初のメジャーリーグベースボール選手一覧

外部リンク

  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Yan Gomes stats MiLB.com (英語)
  • Yan Gomes (@yan_agomes) - X(旧Twitter)
  • Yan Gomes (@yan_agomes) - Instagram

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【試合実使用球】MLB ジェイコブ・デグロム 2022年9月13日 Jacob deGrom to Yan Gomes

Yan Gomes Alchetron, The Free Social Encyclopedia

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